スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

11月5日のシンポジウム「医療事故・事件と医療報道」の報告(MT Proより)

[2011年11月8日] MT Pro

http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1111/1111027.html
マスコミによる“誤報”“バッシング”防衛策を議論,双葉病院事件受け
真相めぐるシンポジウム開催

 今年(2011年)3月11日の東日本大震災による福島第一原発事故の周辺住民避難中に起きたいわゆる双葉病院事件。同院の医師らが患者を置き去りにしたと報じられたが、その後,事実ではなかったことが判明し,同院の医師らが真相究明に乗り出している(関連記事)。11月5日には東京都でシンポジウム「医療事故・事件と医療報道」(主催=セイコーメディカルブレーン)が開かれ,同事件をめぐるマスコミの姿勢や,医療報道全般において誤報やバッシングを避けるための防衛策が議論された。

■誘導尋問的取材や疑問形の見出しで確信的に誤った印象植え付け

 同事件の “患者置き去り”報道が誤りであったことを独自取材で突き止めたノンフィクション作家の森功氏は,まず,誤報の発端とされる福島県災害対策本部救護班の報道発表を問題視した。自衛隊員からの「聞きかじり」を頼りに発表した1枚のプレスリリースが基になり,マスコミ側でもきちんとした事実確認が行われないまま“患者置き去り”報道につながったとされる。

 だが,事実誤認が発覚した後も,訂正の報道発表で「対策本部は『(自衛隊による救出時に病院関係者が1人も)居なかったことは居なかった。そのことは問題ではないか』というようないいかげんな訂正をした」と同氏は話した。誤報が明るみに出て数カ月たった5月ごろ,同氏はこの訂正発表を行った対策本部の担当者を取材したが,「当の担当者は誤報を招いたことに対して『責任は感じていない』と言った。『自分たちは事実確認も検証もしておらず,事実は分からない』と話した」ことを明かした。

 また,マスコミの報道の仕方について,同氏は「対策本部が訂正を出した時点で,マスコミは同院の鈴木市郎院長に取材はしているようだ。だが,“(救出時点で)病院には居なかったのですね?”という聞き方をしている。居なかった時もあるというのが事実だが,そのように問われれば,“居なかった”とつい答えてしまう」と,マスコミによる誘導尋問的なやり方を解説した。

 「ただし,マスコミもうまく報道している。当時の新聞は“置き去りか”や“放置か”のように疑問形の見出しを付け,記事中で“14日には居たが,15日には居なかった”という書き方をしている。対策本部による訂正を受けた記事にはなっているが,読者には同院の悪いイメージを植え付けたという点で大きな誤報。確信犯だ」と批判した。

■精神科病院のマイナスイメージが招く誤報や非難報道

 同院の入院患者の4割は高齢者であり,約300m離れた場所には系列の介護老人保健施設ドーヴィル双葉があるが,同院は元来,精神科病院である。同シンポジウムでは,日本精神科病院協会の常務理事を務める松田ひろし氏も出席,とりわけ精神科病院に関するマスコミの偏った報道について発表した。

 同氏は「わたくしの個人的な考え」と断った上で,「精神科病院に対するイメージは,強制的な入院により個人の自由を奪うという“悪のイメージ”や,一般病院とは違い自由な出入りができず内部が見えないという“闇のイメージ”があるようだ」と話した。

 その根拠として,精神科病院をつくることには賛成するが自分の居住地域にはつくらないでほしいとする考えが社会の大半であるとし,実例として「患者の社会復帰のために民間の精神科病院が地域生活支援センターなどを設立してきたが,いざとなると周辺住民から反対されることが多かった」と語った。

 こうした偏見に加え,同氏は「事実に裏付けされた報道には人と時間と金がかかる。さらに,今回のような災害時には混乱が起き,思い込み報道になりやすく,偏向報道や誤報が生じやすい」とし,同院に関する誤報がある意味で必然的に発生した背景を解説した。

■非難報道防衛策は「取材のきっかけを与えないこと」

 同シンポジウムで司会進行を務め,同事件の真相究明にも乗り出している医療法務専門の弁護士・井上清成氏は,非難報道の防衛策を提示した。同氏は「ひと昔前に比べて医療者に対するバッシング報道は減ってきた。医療者になんでもかんでも責任追及をしたことが医療崩壊につながり,(報道を受け取る国民も)自らの首を絞める結果になったことにそろそろ気付いたからだろう」と分析。「とはいえ,今回の双葉病院事件のようなバッシング報道は消えてはいない」と続けた。

 非難報道への自己防衛策として,「取材のきっかけを与えないこと」を同氏は強調した。かつて企業や病院などが謝罪会見を盛んに行うような現象が起きたことに触れ,「謝罪会見を行わなければならないケースは,実はほとんどない」と述べた。その必要性を吟味した上で,会見を行う場合には十分な事前準備が必要であるとした。

 取材に応じる場合の対策としては,マスコミは事実を衝撃的な内容であるかのように見せるものと理解し,その上で医療全般における事情や,論理,体系,時系列を踏まえて伝え,医療用語の使い方にも最大限に注意を払うことが大切とした。

■相次ぐ誤報の検証,救助が遅れた真相はいまだ不明

 なお,誤報であったことを認める報道が一部のメディアで行われ,なぜ誤報が生じたのかについての検証も相次いでいる。しかし,そもそも,なぜ同院および系列の介護老人保健施設ドーヴィル双葉のみで救助が大幅に遅れてしまったのだろうか―。

 同院医師の杉山健志氏によると,同院と同じ福島第一原発から半径3~5km圏内にある病院・施設の避難状況はとても不可解である。県立大野病院など3つの病院・施設はいずれも震災翌日の12日には警察や自衛隊により救出・避難活動が完了している。2つの民間病院がある10km圏内に的を広げても,いずれも14日時点で救助を終えている。にもかかわらず,同院では16日(ドーヴィル双葉は14日)まで救助が完了しなかった原因はどこにあるのか,依然として真相は明らかにされていない。

 最後に,フロア席で傍聴していた同院の院長,鈴木氏が紹介された。一時的に病院から退避せざるをえなかった時の状況を振り返り,「(誘導した)警察官から『院長,車に乗れ!』と命ぜられ,反射的に従ってしまった。その時,戦争というのはこのような状況になるのかなと思った」と話し, 「このたびは大変ご迷惑をおかけしました」と涙ながらに謝罪した。

(松浦 庸夫)
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

sugitake2

Author:sugitake2
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。